CrystalDiskInfo – 参考文献 –
CrystalDiskInfo の開発にあたり数多くの文献を参考にさせていただきました。
◇ Failure Trends in a Large Disk Drive Population (PDF)
– Eduardo Pinheiro, Wolf-Dietrich Weber and Luiz Andre Barroso – Google Inc
Google で使用している 10 万台以上の HDD を調査した HDD の故障に関する論文です。色々なところで話題になっていたので、ご存知の方は多いと思うのですが、この論文を紹介している記事の多くは何故か『温度や使用頻度は故障と関係ない』ことが強調されています。
など他多数。
確かに、Result にはそう書いてありますが、上記論文の図 4、5 を見ると明らかに温度による相関関係があり、50 ℃付近では故障率が上昇していることも確認できます。ただ、30 ℃~45 ℃でほとんど故障率に変化がないことから、この結論は『あまり高温でなければ故障率との相関関係はない』と解釈すべきかと思います
☆CrystalDiskInfo では 50 ℃以上で『黄色』、55 ℃以上で『赤色』に変化させることにしました。
この論文で一番重要なポイントは、『一部の S.M.A.R.T 項目に故障との相関関係があることを大量の HDD を解析し定量的に確認した』ことだと思います。S.M.A.R.T と故障の相関関係を個人レベルで定量的に評価することは不可能ですから、巨大なデータセンターを持ち数多くの HDD を使用する企業、しかも世界的に著名な google がこの論文を書いた価値は極めて大きいと思います。
この論文では、S.M.A.R.T と故障の相関について以下のように述べています。
- Scan Errorを初めて記録してから 60 日以内の故障率は 39 倍高くなる
- Reallocation Countを初めて記録してから 60 日以内の故障率は 14 倍高くなる
- Offline Reallocationを初めて記録してから 60 日以内の故障率は 21倍高くなる
- Probational Countを初めて記録してから 60 日以内の故障率は 16 倍高くなる
☆CrystalDiskInfo では、論文中に具体的な S.M.A.R.T 項目の ID が記述されていないため、関連がありそうな項目として以下の 4 項目について、その Raw Value が 1 以上になった場合 HDD の健康状態を『注意』とすることにしました。
- 0x05: // Reallocated Sectors Count
- 0xC4: // Reallocation Event Count
- 0xC5: // Current Pending Sector Count
- 0xC6: // Off-Line Scan Uncorrectable Sector Count
日本語訳 [要約] (hedgehogの日記 さん)
◇ ATA(IDE)/ATAPI の徹底研究 (CQ 出版)
随分前に購入したもので内容は若干古いのですが、大変参考になりました。
◇参考サイト
- Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology (Wikipedia)
- HDDのシリアル番号や型番などを取得する (UsefullCode.net)
- HDDのS.M.A.R.T情報を取得する (UsefullCode.net)
- ハードディスク情報の抽出 1:ハードディスクの種類の判別 (CodeZine)
- 論理ドライブと物理ディスクを相互に関連付ける方法はありますか (Hey, Scripting Guy!)
など多数
◇仕様書関連
- ATA8-ACS Draft (Technical Committee T13)
- Serial ATA Revision 2.6 (SATA-IO : The Serial ATA International Organization)
7件のフィードバック
[…] CrystalDiskInfo – 参考文献 – で紹介している google の論文にあるように、30℃ ~ 45℃ 程度であれば、故障率はほとんど変化しないようです。45℃ ~ を目安にお好みの設定をしてください。 […]
[…] CrystalDiskInfo – 参考文献 – で紹介している google の論文によると、30℃ ~ 45℃ 程度であれば、故障率はほとんど変化しないようです。45℃ ~ を目安にお好みの設定をしてください。 […]
[…] CrystalDiskInfo – 参考文献 – で紹介している google の論文によると、30℃ ~ 45℃ 程度であれば、故障率はほとんど変化しないようです。45℃ ~ を目安にお好みの設定をしてください。 […]
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